映画「福々荘の福ちゃん」を観ました(ネタバレあり)

新宿ピカデリーにて「福々荘の福ちゃん」を見てきました。
 
<感想>
 
いや~、昭和テイストの世界観が表現されていました~。
ぼろアパートの雰囲気といい、アパートの住人のヘンさといい、とてもいい味を出しています。
この映画、一貫して笑えるところがたくさんありました。
出てくる人がどこかヘンなんですよ(笑)。
 
この映画の一番のメッセージは「人と向かい合おうよ」、だと思いました。
 
アパートにはかなーりオカシナ住人が住んでいます。
たとえば、元下着泥棒で、精神的に繊細な(ちょっと病気っぽい)若い男性。
そして、東大出身の優秀な頭脳を持ちながらなぜかひたすら孤独で、孤独のあまり大蛇を飼い始める男性。
こうしたオカシナ人々と福ちゃんはじっくり向き合い、じっくり話をし、一緒に凧揚げや将棋をして楽しみます。
見ていて凧揚げをやりたくなりました
 
そして、登場人物のすべてに一芸があるように描かれています。
表向きの仕事はもちろん厳しいものですが、それ以外にも一芸を持っているのです。
そんな個性的な人々がたくさん出てきまして、なんだかほっこりとした気持ちになりました
 
福ちゃんにも中学時代の深い心の傷があるのですが、徐々に癒されていく様子も描かれています。
いや~、人生ってすてたもんじゃないよなあ、のんびりいこうよ、のんびり、と思わせてくれる映画でした。
 
<超大まかなあらすじ>
 
森三中大島美幸が男性に扮し主役の福ちゃんを演じます。
 
福ちゃんは年季の入ったぼろアパート「福々荘」に住む塗装工。
 
笑顔がとても明るく、男気があり、仲間思い。
 
しかしなぜか、女っ気が全くない。
 
それは、中学時代に同級生にいじめられた深い心の傷に起因するものだった。。。
 
という話の流れです。
 
福ちゃんの心の傷を作った原因である同級生の女子、杉浦千穂(水川あさみ)が、突然登場します。
 
彼女は、突然福ちゃんのアパートを訪れ、中学時代にひどいいじめをしたことを土下座して謝ります。
 
彼女自身、中学時代のことはすっかりわすれていたのですが、とある霊能者チックな女性に、
 
「あなたが今苦しんでいるのは、誰かを深く傷つけたからよ。顔も体も丸い男性が見えるの。」
 
というようなことを言い当てられるのです。
 
そして、福ちゃんにしたことを深く反省し、謝りに行ったわけです。
 
杉浦千穂は、有名な写真家のコンクールで賞をとり、一念発起してサラリーマンを辞め、
 
写真家に弟子入りをしようとするのですが、なんとその写真家にレイプされそうになり、逃げだしてしまいます。
 
仕事も辞め、写真技術を教えてくれる師匠もおらず、生活が乱れていたのです。
 
そんなとき、福ちゃんのことを思い出し、許してもらいたいと深くおもったのです。
 
 
福ちゃんは杉浦千穂の謝罪を最初は突っぱねます。
 
しかし最後には、「謝られないよりは謝ってくれた方がいいよ。」と謝罪を受け入れます。
 
その時の福ちゃんの表情がとても印象に残った千穂は、福ちゃんを被写体に写真を撮らせてもらいたいと依頼をするのです。
 
その写真集が、なんと出版されます。
 
心の傷がいやされた福ちゃんと、杉浦千穂はなんとなくいいかんじになってエンディング。